チケットの予約時間が30分刻みだったので30分のコースかと勝手に思っていたら、90分コースと判明(笑)又最大8名のグループで行動する事も(笑)行って初めて知りました。
時間になると部屋の会場入口に呼ばれ、案内して下さる視覚障害者のスタッフさんが登場。
私達の案内人は小柄ですが凄くキュートなこずえちゃん。メンバーは2人組の20から30位の女性と、私と女性の友人、後は1人で参加の男性で多分20・40・50・70代。
こずえちゃんの指導の元、少し薄暗い部屋へ移り、暗闇での3つのポイント
①声を出して行動する、声を掛け合う
②杖の使い方
③物の触り方(手の甲で触れて良いか確認してからしっかり触る)
を聴き、更にもう少し暗い部屋へ。はじめてどうしの集団なので明るい所ではどうしても距離感が出てしまう物なのですが、こずえちゃんのアドバイスや話を聴き、お互いあだ名で呼び合い、暗闇へ突入する頃には何だかまとまった集団になっていた気がします。
また、こずえちゃんの明るい話し方が、すごく良かった!歳は私より若い気もしますが、これから体験する事への持っていた恐怖感を消してくれた、そんな感じが私にはしました
真っ暗闇に入るとまず草の匂い、自然の香りが感じられ、慣れない杖さばきで不安ながらも「何だなんだ~」とちょいと興奮。鳥の声、水音も聴こえます。
「こっちだよ~」と明るいこずえちゃんの声に従いながら、目の前に有るチクチクしたのは笹の葉かな?とか他の人達の声や情報、足元の感触に戸惑いながら多分最初のポイント、少し揺れる橋を渡る。
「私みきちゃんだけど貴方は?」「わたしぼんちゃん。あれ?あなたは?」「ここゆれる!」「あっここ堅い!」「手すりがあるよ!」「段差ありまーす!」
トントン杖を突き、足元確認して手で人や周りを確認して、声出して。
そして着いた場所は今回のテーマの「秋の展覧会会場」
「自由に動いて触っていいよ~」とこずえちゃんが声ををかけてくれるものの、はじめは空間の広さも良く分からず、まずは近くを少しずつ散策。そして皆の声の情報と手の情報で私が触れたられた物。
・木でできた丸いオブジェ
・これも木でできた水が流れてたまっている器(よく日本庭園であるような手水?)
・大きな木のテーブルに木のいろんな塊のオブジェ。調理道具かも
・ビロードみたいな布の塊
だんだん探索が楽しくなっていた所、メンバーの一人の男性たしか「ひろくん」が上に登る道を発見!みんなでまた声をかけながら進むと、足元が物凄くふわふわな場所へ到着。
どうやらそこが展覧会会場の屋上を模した所。足元のふわふわは藁が敷き詰めてありました。
こずえちゃんの「寝っ転がってもいいよ~」との言葉に、恐らく皆座って転がった(笑)
まっ暗闇の中、ずっと聞こえていた鳥の声や水の音を聞き、草の香りと感触を感じ、かなりのまったりモードに。こんなに何も見えないのに、恐怖じゃなく、安心感というかリラックス。
しばらくするとこずえちゃんが「展覧会らしいことをしましょう」ということで「写生大会」
クレヨンが入った籠を回して、ボードと画用紙を回して取り、みんなそれぞれ戸惑いながら書いていました。もちろん私も。妙にボードと画用紙の感触が生々しく目で見えないけど見えるようだなぁと思いつつ。
最後にたどり着いたのは「暗闇喫茶店」
イベントが始まる前に係りの人が「中で飲み物とか買えますので、小銭を持っていってくださいね。無い方はおつりも出るのでお札でも大丈夫」と言われていたんです。
基本が手ぶらなので、手荷物はコインロッカーに預けてありまして。私は小銭無かったので、千円札をポケットに入れていたのですが、まさかこんな形で使うとは(笑)
皆で入口どこだぁと探っていると男の人の声。声の感じは紳士的な喫茶店のマスターそのもの。 「いらっしゃいませ、こちらにどうぞ」
と声がけと共に、こずえちゃんと2人で私たちをテーブルへ誘導。
そして、席に無事皆つけた所で、メニューのご案内。
・ソフトドリンク400円・アルコール600円・おつまみ200円…あれ?違うかも(笑)まあこの位の価格で。 アルコールはビール、ワイン、日本酒の利き酒セット。つい日本酒とおつまみを頼んじゃいました(*^^*)
見えない中での飲み食いは思ったよりスムーズ。反対に日常に戻ってから実感したのですが、あの時は指の感覚と嗅覚、味覚が物凄く鋭敏だったなぁと。 目の情報がある中だと薄まる、と言いますか。
日本酒とおつまみのセットは、木のトレーの上に陶器の器二個、少し大ぶりでゴツゴツした物とスッキリといたやつ。三つに別れた 細長い菓子皿にチーズ鱈と丸いえびせんと柿ピー、でした。
目で観るよりリアルに感じていた気がします。
お店を出たら、今回の旅は終幕へ。もっと探検したい気持ちのまま、少し明かりがついた部屋へ移動して目を慣らしつつ話をしつつ、日常へと戻って参りました。
感想としては、暗闇の世界と違い光のある世界は人や物の距離を感じるなぁと。
暗闇の世界は自分の思考と共に他人の思考、他の物たちがぷかぷか浮いて、暖かい感じでしたか、光のある世界は、見える世界はそれを区別し、比較する。
見える事は素晴らしいけれど、進化の過程で捨ててしまった物もあるのかも、などどしんみりではないのですが、考えてしまいました( ̄◇ ̄;)
しかし、 また行きたいです\(^o^)/
パンフレットと書いた絵。分かりにくい(笑)